T's Gazzetta ~SerieA 第21節 Juventus vs Lazio~

こんにちは、久々の「T's Gazzetta」。今回はSerieA 第21節 Juventus vs Lazio! 

それでは採点をご覧ください! 


image@www.juventus.com


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 ・試合結果       

  ユベントス 2ーラツィオ 0   

    5min:ディバラ(マンジュキッチ)

    17min:イグアイン(クアドラード)   

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スターティングメンバ―を見て、驚きを隠せなかったファンも多かったはずだ。マンジュキッチ、イグアイン、ディバラ、そしてクアドラードという攻撃陣を同時起用するフォーメーション(4-2-3-1)を選択したアッレグリ監督。この陣容に込められた意図を選手たちはピッチ上に還元、前節の敗戦からの”反発力”を見事に示し、序盤の20分で一気に勝負をつけたのだ。

このゲームで際立っていたのは「ネガティブトランジションの瞬間のボールホルダーに対する寄せの速さ」だった。中央でディバラがルーカス・ビリアをけん制することによって相手のビルドアップの起点をサイドへ追いやる。そのサイドではあっという間に数的優位を作り、ボール奪取する場面が目立った。後半終了間際でも積極的にラツィオの最終ラインにプレッシングしてゴールを狙い、「インテンシティの高さ」を示した。

また自陣に引く場面では4+4という強固な2ラインを敷いた。このライン間に全くスペースが無く、ラツィオの攻撃陣はライン手前で途方に暮れるしかなく、ボックス内で孤立していたインモービレはサイドに流れざるを得なかった。

攻撃面ではアッレグリ監督の狙い通り、完全に両サイドの制圧に成功。

右サイドではフェリペアンデルソンの守備意識の低さによって守備時と同様に数的優位を作り、再三リヒトシュタイナーがオーバーラップをかけた。そして特筆すべきこととして、左サイドのアサモアとマンジュキッチによる縦の関係だ。最終ラインからのロングフィードでマンジュキッチがポストプレーでボールキープするとアサモアがその背後のスペースを狙ってチャンスを演出。アサモアの縦の推進力を生かすためのマンジュキッチのポストプレーが見事に嵌ったのである。

これだけ90分を通じて全ての局面においてクオリティの高さを見せることができた要因としては「トランジション時のスタートポジションの的確さ」という一言に集約されるだろう。将に「相手に何もさせない」というアッレグリの掲げているプレーモデルが今シーズン一番反映されたゲームだった。

 

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 1、イグアイン:7.5(MOM)

ボックス内での仕事に専念する以前の面影はもう無い。それは「ユベントスのフィロソフィ」を吸収してピッチ上に還元する度合いが高くなっていることを意味する。攻撃面では自らポジションを下げてボールを受けると精度の高いロングフィードで素早くサイドに展開。ネガティブトランジション時はリヒトシュタイナーとクアドラードと共に右サイドの高い位置でのボール奪取に参加した。また前半早々にとどめを刺すゴールを挙げると、 後半60分にはボックス手前からディバラへ精度の高いラストパスも供給。ボックス内での決定力という自身の持ち味を残しつつも、チームの目指すプレーモデルに適応しつつある彼の姿にアッレグリも称賛を送っているだろう。


 2、マンジュキッチ:7.5

このゲームでは左サイドを主戦場としていたが、いつもさながらのハードワークを厭わなかった。もちろん守備面での評価は高いが、彼の献身性によってアサモアの縦への推進力をいかんなく発揮し、サイド攻撃の新たなオプションを生み出された。

最終ラインからのロングフィードでのポストプレーによって背後にスペースを作り、また高いポジションでは中に絞ることによってサイドの裏のスペースを与えた。このオプションによって同サイドでマッチアップする若いパトリ、ロンバルディは完全に封殺されたのである。


 3、ピャニッチ:7.0

 トレクァルティスタ(トップ下)のポジションで自身の居場所を確立していた”ボスニアの魔術師”、この日は中盤2センターの一角という違うポジションでの起用だったが、サイドからサイドへの”経由地”としてのタスクを難なく遂行、そのビルドアップ時のボールロストがほとんど無かったことが彼の視野の広さを象徴している。

また中央バイタルエリアではディバラとの絶妙な距離感でのパスワークでパローロとルーカス・ビリアによる網目の攻略にも成功。彼の素早い状況判断、展開力があったからこそ、アッレグリの狙いだったサイドでの数的優位を体現できたと言ってもおかしくない。


4、マルコ・ピァッツァ:6.0

出場時間が短かったため通常は「採点なし」であるが、このクロアチア人に期待しているファンも多いので敢えて評価採点をつけた。

終了のホイッスルが鳴った瞬間のあの悔しい表情が全てを物語っている。前節フィオレンティーナ戦と違い、僅かな出場時間の中でボールに触る機会が多かった。バイタルエリア手前でボールをはたき、そのままボックス内でフィニッシュする場面もあり、左サイドではあの独特のマタギによるドリブルで果敢に仕掛けた。

確かに2度の決定機を逃して結果を出せなかったことを悔やむかもしれないが、まだもう少し時間は必要、焦ることはないだろう。ドリブルによる打開力で彼がチャンピオンズリーグの大一番で決定的な仕事を成し遂げてくれることを期待している。

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