「移籍の噂」特集 ~冬のメルカートの主役は!?~ vol.3

サッカー専門のイタリア大手メディア「Calciomercato.com」から注目の選手を特集記事としてpick upする「移籍の噂」第3弾!
 今回はキャリアで将に脂の乗る時期に来ている2選手に加え、サイドでのスピードを武器に絶賛売り出し中のヤングスターが登場、クラブの思惑も含めて彼らはどのような決断を下すのか!?


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1、トーマス・リンコン(ジェノア)

毎シーズン、他クラブよりも移籍市場で活発な動きを見せるジェノア。昨シーズンの冬のメルカートでは、エンリコ・プレツィオージ会長は当時主力選手だったディエゴ・ペロッティを迷わずローマに売却した。そしてこの冬もトーマス・リンコンとレオナルド・パヴォレッティという2人の主力選手を放出する見込みだ。

ローマの中盤の選手についてだが、ケヴィン・ストロートマンは今シーズンここまでほぼ全試合スタメン出場を果たして存在感を示している。ジェルソンはこの冬にレンタル移籍ではなく、チームに残留することが濃厚だ。ただその一方で、レアンドロ・パレデス、アレッサンドロ・フロレンツィは怪我で離脱し、更には第17節でもラジャ・ナインゴランが軽傷を負ってしまった。今シーズンからローマのスポーツディレクターに務めているフレデリック・マッサーラは怪我人の多い現状を踏まえて中盤の選手層を強化するプランを描いている。

ワルテル・サバティーニ前SDがジェノアとメルカートの取引を行うことが多かったこともあって、ローマとジェノアは比較的良好な関係にあるようだ。

ちなみにローマはチェルシーからセスク・ファブレガスの獲得にも興味を示しているが、セスクと1月中旬に復帰予定のパレデスによる2センターのコンビは想像しづらい。やはり現実的なターゲットはリンコンか。そのリンコンがこの冬ローマへ移籍するならば、ジェノアは後釜として再びユベントスのエルナネスの獲得を狙うだろう。


2、ルイス・ムリエル(サンプドリア)

サンプドリアのフェレーロ会長は彼の放出を否定しているが、このコロンビア人ストライカーはこの冬にチームを去るだろう。彼には約3000万ユーロの契約解除条項が設けられている。2015年の冬のメルカートでチェルシーがフィオレンティーナの要求額に近い移籍金(約3000万ユーロ)を支払ってクアドラードを獲得したように、ムリエルの今シーズンの目覚ましい活躍を考慮して約3000万ユーロに近い移籍金を支払うクラブからオファーが来る可能性が高い。

彼の移籍先候補の1つに噂であがっていたナポリはジェノアのパヴォレッティを獲得することが濃厚になったので、おそらく国外のクラブへ移籍することになるだろう。チェルシーも獲得に乗り出しているが、バレンシアが一番彼の獲得に近づいているようだ。今シーズン降格圏目前まで沈んでいるバレンシアのプランデッリ監督は前線に現有戦力とは違うタイプの選手を加えたいと考えており、リーガの舞台に完全にフィットしそうな彼に白羽の矢を立てたのだ。


3、ケイタ・バルデ(ラツィオ)

バルセロナの下部組織出身であるケイタは2018年に満了となるクラブとの契約を延長しない意向だ。今の彼自身の市場価値は高く、クラブにこの冬での売却を迫っているのだろう。ラツィオのロティート会長は2014年の冬のメルカートで当時契約満了まで残り1年半だったエルナネスをインテルに売却して約1500万ユーロを手に入れた。この才能溢れるウィンガーがまだ21歳と若いことを考慮すると、エルナネスのケースと同様に多くの売却益をより簡単に手に入れることができるだろう。

昨シーズンの冬のメルカートではワトフォードがケイタの獲得に迫り、昨シーズンの夏に彼が年俸引き上げをクラブ側に求めていた際にはモナコとインテルが獲得を狙っているという噂があった。最近ではミランの次期SDのミラべり氏が彼を獲得候補の1人に挙げていたようだ。しかしミランは中国資本へのクラブ売却が遅れているため、他クラブが交渉で優位に立つチャンスは十分にありそうだ。ケイタを放出するとなれば、ラツィオはリカルド・キシュナやルイス・アルベルトを後釜に据えるだろう。

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このメルカートで個人的に一番注目しているトーマス・リンコンについて。

ローマの中盤2センターはストロートマン、デロッシに続く3番手が物足りない印象だ。パレデスはまだパフォーマンスが安定せず、バックアッパーとして不安に思うロマニスタも多いはずだ。更にデロッシも年齢による衰えが見られ、常時フル出場は望めない。

ベネズエラ代表のリンコンは足元の技術よりも、フィジカル面での強さを発揮するタイプ。ただそれ以上に、守備の局面においてバイタルエリアへの縦パスのコースを読んでインターセプトできるのが彼の最大の持ち味だ。このようなバイタルエリアの守備の巧さという点でデロッシの後釜にピタリとはまるのではないのだろうか。

最終ラインの裏のスペースへの飛び出しやドリブルの仕掛けに関して高いクオリティを持っているムリエルは毎試合継続して一定以上のパフォーマンスを発揮できるかどうかがポイントだろう。カルチョの世界よりもテクニックで勝負しやすい環境にあるリーガをお勧めしたい。

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