T's Gazzetta ~SerieA 第17節 Juventus vs ASRoma~

こんにちは、先週はできませんでしたが今週は「T's Gazzetta」やります! 

今回はSerieA 第17節 Juventus vs ASRoma! 

 それでは採点をご覧ください!


 ----------------------------------- 

 ・試合結果     

 Juventus 1ーASRoma 0   

 14min:イグアイン   

----------------------------------- 


今節のSerieAはMilan vs Atalanta,Lazio vs Fiorentina,Napoli vs Torinoなど好カードが目白押しだ。テーブル上でのCL,EL出場権争いが熾烈であり、期待感を抱いているファンが多い。また上位対決を中心にピッチ上でも拮抗したゲーム展開が繰り広げられていることが多いのも今シーズンのカルチョが面白い要因の一つだろう。

その中で一番注目が集まったのが1位Juventusと2位ASRomaの直接対決だ。

前節終了時点で両者の勝ち点差は4。

12月に入ってダイヤモンド型を基本とした戦術の形が漸く嵌りだしたJuventusが勝ち点差を広げて2月からCLラウンド戦に集中することができるのか、それとも戦術家スパレッティのもとでリーグNo.1の得点を誇るASRomaがスクデット争いに食らいつくのか。全てのカルチョファンの視線がこのゲームに集まった。



試合は序盤から戦術的要素が大きく反映される展開になった一方で、両チームとも球際でのプレッシャーが激しくオルサート主審の笛がことごとく鳴る。しかし前半10分以降、先にゲームを落ち着かせて自分たちの流れに持ち込んだのは王者Juventusだった。点取り屋の感覚を前節のTorino Derbyで見事に取り戻したイグアインが前半15分に驚異的なドリブルでデロッシとマノラスを剥がして先制ゴールを叩き込むと、ここから「相手の良さを潰す」アッレグリの手腕が発揮された。

Juventusの守備の局面ではマンジュキッチが相変わらず前線からプレッシャーをかける。これに中盤が連動してASRomaのパスコースを限定することによってビルドアップの起点をJuventusの右サイドへ追いやることを徹底したのだ。前線への縦パスを供給するはずだったストロートマンはこの戦術によって”無力化”されたのだ。


前半は完全に自らのプランを遂行したJuventus、ただここでASRomaは簡単に引き下がらない。飛び道具サラ―を後半の頭から投入して攻撃のオプションを増やしたスパレッティの策略によってASRomaは攻勢に出た。Juventusのバイタルエリアの守備が少し緩くなったところを狙ってナインゴランが持ち味のドリブル突破を仕掛けたり、サイドではサラ―がアレックス・サンドロとのマッチアップに挑んだ。

60分台後半からはASRomaが一方的に押し込む展開になるが、Juventusはバルザーリを投入してCBの枚数を増やすなどボックス内を固めて決定機を演出させない。その一方でカウンターの機会を虎視眈々と伺っていたアッレグリはイグアインが前線で孤立するようになってきたとみるや、80分にそのイグアインに替えてディバラを投入。離脱前よりキレが増したように感じるドリブルで自陣から敵陣まで持ち上がっていくディバラをASRomaの守備陣はカード覚悟のファールで止めるしかできなかった。

ただそれでもサイドからリスクを冒して前へ出る姿勢を崩さないASRoma、時間を稼いでゲームを終わらせるプレーを見せずに試合を決定づける2点目を果敢に狙うJuventus。終盤は将に一進一退の攻防が繰り広げられたのだ。

ゲームはそのままJuventusがウノゼロで逃げ切りに成功。

結果論だが、ボールが落ち着かない試合の入りから先にチーム戦術をピッチ上で体現したJuventusに軍配が挙がった形だ。しかも自分たちがゲームコントロールし始めた直後に先制点を挙げることができたのが大きかった。

ただASRomaも決して下を向くような内容で無かったことは確かだ。攻撃に人数をかけて敵陣に押し込む時間帯を作れたのは今のチーム状態を象徴しているのではないのだろうか。スクデット争いの対抗筆頭の地位をがっちりと確保した格好だ。


 ・注目選手の採点   <Juventus>


   1、ルガーニ:7.5(MOM)

誰もが実戦を重ねていくにつれて成長する彼の姿に驚いたに違いない。前節に続いてまたカルチョを代表するストライカーの”封殺”という難しいミッションをクリアしてみせた。ビルドアップの起点をサイドに限定した守備以外で前半、相手に攻撃の形を作らせなかった要因として、ボールを受けるために少しポジションを下げるジェコに対するマークを徹底し、前を向かせなかったことが挙げられる。更に後半押し込まれている時間帯にCKからのこぼれ球に彼が一早く対応して決定機を免れたシーンもあった。ベナティアとの序列争いを制し、先日契約延長を勝ち取った若武者は今後BBCの隣で再びプレーし、更なる飛躍を遂げるに違いない。


 2、ストゥラーロ:7.0

 今シーズンここに来て完成度を高めているアッレグリの「4-3-1-2」に欠かせない存在だ。相手のビルドアップの局面でボールホルダーに対してプレッシャーをかけるというタスクを90分継続して行うというインテンシティの高さを披露、終了間際でも前線からマノラスに背後からファールで潰してピッチ外へ追いやるなど、今日も”伏兵”としての役割を遂行した。後半に2度の決定機でシュチェスニーに止められるシーンがあったものの、これに関しては相手GKを褒めるべきだ。


 3、ケディラ:6.5  

「プレー原則に従ったポジショニング感覚に優れている」という言葉が似合うように、アッレグリ哲学の中核を担っている。今日は相手のビルドアップの場面で主にストロートマンへのパスコースを遮断する役割を果たし、ボールホルダーをサイドへ追いやった。コンディションに左右されずに様々な局面におけるオフザボールの動きを高いレベルでこなす彼はストゥラーロとの補完性が高く、3センターの一角として絶対に外せない。


4、イグアイン:7.0

またもやゴールという形で結果を出した。デロッシとマノラスを絶妙なボールタッチやドリブルで剥がしたようにこのゴールハンターにはマンツーマンのマークでは対応できないのだ。


5、アレックス・サンドロ:6.5

いつもより守備的なポジショニングだったものの、後半は持ち前のドリブル突破で幾度となくサイドを駆け上がり、リュディガーの対応を難しくした。ただ後半相手の時間帯に無理やりドリブルで持ち上がろうとしてサラ―に奪われた場面は頂けなかった。


 

・注目選手の採点   <ASRoma>


 1、ジェコ:5.0

ボックス外で少しポジションを下げてボールを受けにいく場面ではルガーニの執拗なマークによって最低限のポストプレーしかできず、ボックス内での駆け引きではキエッリーニに敗れた。前半からオルサート主審の判定に苛立ちを隠せず余計なカードをもらうなど今日のパフォーマンスは総じて低調に終わった。


 2、ナインゴラン:6.0

ストロートマン経由のパスコースが相手の網目にかかり、ジェコは相手DFの執拗なマークを受けてパフォーマンスを落とす中、中央で孤軍奮闘する場面が目立った。今日も敵陣バイタルエリアへの推進力を発揮し、相手守備陣に少なからず脅威をもたらした。ただボックス外からの強烈なミドルシュートは影を潜めた。裏を返すと彼に対処するための相手DFのポジショニングが良かったことを意味している。


3、シュチェスニー:7.0

先制点はほとんどノーチャンスに等しかったが、後半の2度の決定機で魅せたファインセーブは間違いなく最後まで拮抗した試合展開に持ち込むための原動力になったはずだ。特に自分たちの時間帯にカウンターを受けた際、ストゥラーロの鋭いグラウンダーのシュートを右手1本で止めたシーンは彼の反応の速さを物語っている。

                                       

T's calcio channel

主にSerieAの試合の分析を行います! 日本の大手サイトでは報道されないようなメルカート情報もお届けします。 Juventusに関するコラムはユベントスジャーナル(http://calcio-sportivo.com/)に投稿していますのでそちらをご覧ください。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • Tsuda

    2016.12.23 05:14

    @あああ^コメントありがとうございます! ローマはエルシャーラウィが今一つ波に乗れていないことが懸念材料ですね。 冬のメルカートでデパイをはじめとするサイドアタッカーのレンタル獲得も含めて注目です。
  • あああ^

    2016.12.20 05:22

    この大一番でジェルソンて。しかもshで。どういう意図が? サラーもペレスも怪我。おとなしくエルシャラを機能させる術を模索してください。