ジェノバダービー ~データで語れないもの~ ep.1
SerieA第9節の対戦カードを見ただけでその週末を迎えることを楽しみにしていたファンは多かったのではないのだろうか。もちろんサンシーロで行われたAC Milan vs Juventusにスポットが当てられたがそのゲームの前に組まれていたジェノバダービーも忘れてはいけない存在だった。
ここでは個人的に今シーズンTorinoと共に欧州カップ争いの筆頭候補として今シーズン期待していたSampdoriaに話の焦点を当てたい。Genoaサポの皆さんには申し訳ないがご了承頂けると幸いだ。
僕は16-17シーズンのカルチョメルカートを見て今シーズン期待できるProvinciareとしてSampdoriaを挙げていたがここまで2勝2分4敗と苦境に立たされている。勝敗数だけ見ると「負けすぎ」と思われる方がいらっしゃるかもしれないが、この4敗はゲーム内容としては全然悪くない。大雨に見舞われたオリンピコで終了間際にDzekoがPKを獲得し、そのDzekoに対して試合後に「彼を俳優として起用したい」とフェレーロ会長が皮肉のコメントを出していた3節のASRoma戦、ポゼッションやビルドアップからのチャンスメイクで拮抗した内容だったもののŠkriniarのミスが致命傷になった4節のMilan戦などが含まれている。むしろここ最近2試合でいずれも降格圏に沈む格下相手から勝ち点2しか得られなかった方が問題だろう。
その主な要因として、
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1、FW2枚のパフォーマンスへの依存
2、CB,SBの頭数、クオリティ不足
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だと個人的には感じている。
1、FW2枚のパフォーマンスへの依存
夏のメルカートで一番の目玉だったDennis Praetがカルチョの世界にまだ慣れていないことが大きい。ここまでの中盤4枚のスタメンを見てみるとレジスタにはゾーンでの守備と相手選手へのプレッシャーをかけるタイミングの巧さで違いを見せつけるLucas Torreiraが定着し、インサイド2枚はBarettoとポーランドから移籍してきたLinettyの2枚でほぼ固定。Lucas Torreiraを起点としたビルドアップの形はしっかりとできている試合は多い。
ただ問題は1.5~2列目。理想としてはQuagliarellaによるポストプレーの間にCBの脇のスペースを狙ってサイドに流れたり、裏を狙うLuis Murielに対して正確な縦パスを供給する役割を果たせると組織として相手の守備ブロックを崩す1つのユニットになり得る。その役割を高いレベルでこなすと期待されていたDennis Praetだったがここまでスタメン出場3試合、途中出場3試合と何か物足りなさを感じてしまう。
その結果として毎試合継続して高いパフォーマンスを見せるレベルには至っていないLuis Murielやシーズン通じてある程度計算できる(主に得点数)がそれ以上の活躍は見込みづらいQuagliarellaの出来によって試合結果が左右されているように思える。
2、CB,SBの頭数、クオリティ不足
今シーズンディフェンスラインの鍵を握るのがキャプテンマークを巻いているReginiだ。ジャンパオロの構想としてはこのReginiをCBにコンバートしてSBにSalaとPavlovićを沿えるというものだった。ただCB,SBのバックアッパーがまだ18歳のPedro Pereiraや21歳のŠkriniarが務めている状況である。各ポジションごとでまとめると、
CB:Regini、Silvestre、Škriniar
RSB:Sala、Pedro Pereira
LSB:Pavlović、Dodo(どちらかと言えばWBタイプ)、Regini
となり、明らかにバックアッパーの数が少ない。
特に顕著なのが守備時にサイドでの1vs1の勝負で相手SMFやWGに振り切られるケースが多いことだ。
そして上記のように困難な状況にあるSampdoriaをダービー後に待ち構えているのが、
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第10節 vs Juventus
第11節 vs Inter
第12節 vs Fiorentina
第13節 vs Sassuolo
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という難敵との対戦カード。De Boorの解任騒動やIcardiの自伝を巡る問題などで揺れているInter、得点量不足でスタートダッシュに失敗したFiorentinaであっても地力が違うのは明らかだ。だからこそここまでの悪い流れを変えるきっかけを掴むという意味でもこのダービーの位置づけは非常に重要なものであった。
Sampdoriaは果たして何か良いきっかけを掴めたのだろうか。
「ジェノバダービー ~データでは語れないもの~ ep.2」ではジェノバダービーの結果を振り返る。是非このep.1に続いてご覧頂きたい。
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