ジェノバダービー ~データで語れないもの~ ep.2
ep.1ではSampdoriaの現状について書かせて頂いた、正直内容はネガティブなものばかり。
しかしそのSampdoriaがこのダービーで見事な勝利を収めた!
その勝利の要因を洗い出してみると、
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1、運の良さ
2、ホーム開催によるサポーターの後押し
3、気持ちでの勝負
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だと個人的には思った、というよりデータ面での勝因を挙げることができなかった。
その試合データを簡単に振り返ってみよう。
Sampdoria は前半開始、後半開始のそれぞれ10分程度しか自分たちのペースで試合運びをすることができず、残りの時間帯は終始Genoaのサイド攻撃に苦しめられた印象だった。
ボール支配率 :Genoa 63%-Sampdoria 37%
パス成功率 :Genoa 84.7%(344-406)-Sampdoria 63.4%(149-234)
ロングパス成功率:Genoa 74.4%(32-43)-Sampdoria 30.6%(13-42)
(サッカーデータ分析サイトFour Four Twoより)
これらのデータが示しているようにほとんどの時間帯でGenoaが試合のペースを握っていたことが分かる。特にSampdoriaのロングパス成功率が異様に低かったことは特筆すべきことだ。試合前からSampdoriaは自陣から前線の2,3枚にロングボールを供給してそのポストプレーを起点としたカウンターが攻撃の形のメインになることが予想されていたこともあってBurdissoをはじめとするGenoaの最終ラインが対応したと言っても良い。またGenoaのロングパスはサイドを広く使うためのサイドチェンジが大半を占めており、それらほとんどが成功しているのに対してSampdoriaはひたすら前線へ当てるロングボールばかりだった。
しかし、このようなデータ面での劣勢を結果的に跳ね返したのが「運の良さ」である。具体的にはSampdoriaの得点時間帯を見れば分かる。先制点は前半11分、そして勝ち越し点は後半開始早々46分。どちらも自分たちのペースで試合運びができた数少ない時間帯に挙げられた得点だ。
そして今節はSampdoriaのホーム開催だったためバックスタンドは多くのSampdoriaサポーターで埋め尽くされ、試合中もずっと地鳴りがするくらいの応援による後押しも大きかったかもしれない。その後押しがあったからこそ何度もサイドで突破を許したり、カウンターから決定機を作られても最後のラスト30mのエリアで身体を張った守備ができたのではないのだろうか。このような守備の局面で「気持ちの強さ」が出ていたように思える。
今回の一戦でジェノバダービーに限らず、ダービーとは戦術面よりもメンタル面が試合を左右するものであると改めて感じた。正直ゲーム内容はMurielのパフォーマンスが良かったこともあってカウンターが嵌ったことくらいしか収穫点はない、けど「ダービーを制したこと」自体がチームの雰囲気を変えるのではないかと期待している。
最後に僕が個人的に感じたことが1つある。いつも試合後に客観的な目線で「データを用いた戦術面での分析」をしようとする。もちろん中々その分析が自分の中でうまく落とし込めない、納得できないこともあるし、どこか変に冷静な自分がいると感じることもある。だからこそ今回のジェノバダービーのようにもう少し感情に訴えてもいいんじゃないかなあと・・・、あのCurvaの熱狂的なサポーターが作り出すスタジアムの雰囲気を楽しむように。
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